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背景画像 スーツの男性のイラスト 医者のイラスト スーツの女性のイラスト その医師は、最後に希望の明かりをともす。

©︎五十嵐大介

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2024年本屋対象 背景画像 水鈴社 スピノザの診察室 夏川草介 スピノザの診察室
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全国の書店様から数多くのメッセージを頂きました! 「神様のカルテ」シリーズの著者、渾身の長編小説!

その医師は、
最期に希望の明かりをともす──。

現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した「人の幸せ」とは。

20年間、医療の最前線で命と向き合い続けた著者が描く、祈りと希望にあふれた感動の物語。

スピノザの診察室の本

スピノザの診察室 SPINOZA CLINIC

書籍情報

定価:1,870円(本体1,700円+税10%)
ページ数: 288ページ | 体裁: 四六判 上製
装丁:名久井直子 | 絵:五十嵐大介
発行日:2023年10月25日
ISBN:978-4-16-401006-8 | Cコード:0093

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全国から数多くのメッセージを頂きました!全国の書店員さんからの声
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    東京都

    くまざわ書店 南千住店 鈴木康之様

    これほどまでに医学の事をくわしく書いた小説はないと思う。さすが現役医師である夏川さんであるとつくづく感じました。医療の現場がこれほどまでに大変で困難であるのかと思いました。作中で印象に残ったセリフは「借金は友とし、空腹は敵とせよ。」と「ここの仕事は、難しい病気を治すことじゃなくて、治らない病気にどうやって付き合っていくかってことだから。」納得です。 マチ先生の好物の三大もちは甘党としての私も食べてみたいです。ラスト近くの内視鏡の手術のシーンはハラハラドキドキの緊迫感あふれるシーンでした。あなたもぜひ読んで楽しんで下さい。感動してください。

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    埼玉県

    文真堂書店 ビバモール本庄店 山本智子様

    人は産まれたらその過程はどうあれ、確実に死ぬ。 原田病院の面々に看取られる人はなんて幸せなのだろうと。 マチ先生の動じない姿と和菓子に目がない姿。どちらもマチ先生の魅力を最大限に引き出していました。 看取りの時。 そこまでの時間もその瞬間も人によって望みは違っていて。 第二話の「五山」 息子に看取られて黒木勘蔵さんが亡くなった時。 優しい言葉を掛けてあげられなかったと悔やむ息子さんに 「息子さんがいつも通りに振る舞っていた。おかげで、勘蔵さんはいつも通りの安心した眠りの中で逝ったのでしょう」 そんなマチ先生の言葉で涙が止まりませんでした。 残された人が悔やまないように。マチ先生の心からの言葉が大切な人を亡くした心に染み込んで、癒してくれる。 そのマチ先生の先輩である花垣先生も素晴らしい! 「俺の立場を天秤にかける必要は一切ない」 と言い切れる患者さんに寄り添う心の強さ。 マチ先生と花垣先生、最高のバディ! この1冊で終わらずに、原田病院の素敵な先生方の今後も是非お願いします!! 龍之介君の今後も、是非!!

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    大阪府

    紀伊國屋書店 泉北店 塘浩子様

    安心して逝ける、最期の時を託せる先生に出会える事が、宝くじに当るような事ではなく、当たり前になる為に、自分に何が出来るかを考えながら読みました。思いやりの気持ちを皆が持てれば、この物語の世界に少し近づく事ができるかも。

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    富山県

    文苑堂書店 富山豊田店 菓子涼子様

    本当に大切なものを思い出させてくれるような誠実さを感じる物語。 いったん立ち止まって、自分自身の生き方をも考えるきっかけを与えてもらいました。

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    大阪府

    水嶋書房 くずはモール店 和田章子様

    この作品を世に出してくださった夏川先生と 書店員に届けてくださった篠原さんにお礼と感謝の言葉をお伝えしたく思います。 1人でも多くの方にお届けするお役に立ちたい思いでいっぱいです。 夏川先生が書かれた 書店員のみなさまへ 刊行に寄せて を読んでうるっとくるものがありました。 観光ではなく、月3回所要で京都を日常使いしていることもあり(3日前も東寺を見上げ、羅城門遺址近くに向かっていました)原田病院が本当にあって今日も哲郎や秋鹿が患者さんと話している 感覚が続いています。 ガツガツしたりギラギラした生き方が溢れる現代、そうではない自分や環境にどうしたらいいのか迷うものにとって、スピノザの哲学とともに哲郎の佇まいはお手本として示されたように感じました。 哲郎が 「これで良かったのか」と問いかけないようにしていること 今川さんに伝えた「急がなくてもいい」という声かけ 辻さんの生き様 どのように人生の最後をおくったらいいのか どのように見送ったらいいのか ファンタジーではなくリアリティを伴って冒頭からラストまで考えさせられることばかりでした。

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    茨城県

    未来屋書店 水戸内原店 大谷典永様

    生と死に向き合うということ。正解のない世界。 現役医師でもある筆者のたどりついたものを見ることができます。 平和な日常では考えることもなかった深淵をのぞき、人のあり方についてはっとするところも多々ありました。この本は小説の形をした哲学書でもあります。哲学というと難解なイメージですが、全然難しくありません。感動とは違う心の震えに襲われました。

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    福島県

    ジュンク堂書店 郡山店 郡司様

    幸せな最期というのは無いのかもしれない。それでも、残り限られた人生を自分らしく全うできるよう寄り添ってくれる。この主人公の様な医師に巡り合えたら患者にとっても、その家族にとってもどれほど心強いだろう。作中に出てくる美味しそうな京都の和菓子、個性は強いけれど患者と病に真正面から向き合う愛すべき医師たち、もっともっと掘り下げてほしいので、続編とは言わず、シリーズ化をお願いします。

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    宮崎県

    明林堂書店 浮之城店 大塚亮一様

    現役医師の著者ならではの視点で、誰もがいつかは直面する人の死に向き合う。それは辛いことではあるけれどもこんな風に寄り添ってくれたらと共感する場面が何度もあり心の奥底を刺激する。話の合間に出てくる和菓子にホッとする優しい物語だ。

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    千葉県

    幕張 蔦屋書店 後藤美由紀様

    こんなふうに寄り添ってくれるお医者さんがいたら、人生の最後にこんなお医者さんに診てもらえたら、穏やかに人生を終われるような気がします。人生の終い方を考えさせられる作品でもありました。

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    秋田県

    秋田県 S様

    人生の最後にどう向き合うのか、自分だったらどうするんだろうかと考えました。

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    大阪府

    未来屋書店 大日店 石坂華月様

    夏川さんの描く物語って、本当にしみじみとよいのです。 飄々としたマチ先生の温かい心が眼差しが、真っ直ぐ過ぎるくらい。 目の前の患者に真摯に向き合う想いが伝わってきます。 病気が治ることが勿論大切ではあるけれど、完治できない、残された時間が短くてもできることはある。命の灯火が消えるとき私もそうでありたいと願う。 何度も何度も鼻の奥がつーんとして物語に抱き締めてもらった気がする。 あかん、感想を書きながら思い出したらまた泣きそうです。 マチ先生を取り巻く仲間たちも魅力的で 物語の続きをぜひ書いてもらいたい! 舞台が京都、私も5年暮らした土地でもあるので懐かしい景色が重なりました。チャリで暴走した京都市内! そして甘党のマチ先生が嬉しそうに頬張る銘菓の和菓子の数々がたまりませんね。

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    三重県

    コメリ書房 鈴鹿店 森田洋子様

    病気に関して素晴らしい知識があり、決断力、判断力に優れているマチ先生。 でもその姿は飄々としていて物事を淡々とこなし、落ち着いていて安心感も持てます。 医師は患者を治してくれるのがお仕事ですが、ただ治療するだけではなく最後まで人間として生きていられるようにマチ先生は、優しさと希望を与えてくれ、立派に生きさせてくれる…そんな人間味のあるマチ先生の周りにいる人達もみんな優しくてあったかい。この雰囲気は読んでいて気持ちが安らぎますね―。

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    東京都

    東京旭屋書店 アトレヴィ大塚店 北川恭子様

    心に沁みる物語でした。人の在り方を考えました。希望と優しさが伝わってきます。亡き父を思いつつ、読まさせていただきました。

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    愛知県

    精文館書店 豊明店 近藤綾子様

    医療技術の発展はすごい。そのおかげで、助からなかった命も助かることも多いだろう。しかし、どんなに医療が進歩しても、人の哀しみや苦しさなどを救うものでなく、安心などを与えてくれるものではない。 いつかは必ず訪れる死。死、命を優しく見守るマチ先生の姿に、患者や患者の家族のように、私も穏やかな気持ちになり、救われる気持ちになった。8年前に亡くなった母のことで、未だに、何か出来たのではないか…など、葛藤があるからかもしれない。 お迎えが近い患者に対し、急いで旅立つ必要もないと言い、そして、無理やり、引き留めるようなこともしない。 京都の四季を感じつつ、町並みを走るマチ先生の自転車。情景が浮かび、優しい気持ちになりました。

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    北海道

    未来屋書店 西岡店 竹内由紀子様

    「治る人」なんてほとんどいない患者ばかりの原田病院。治らない病気にどうやって付き合っていくか。安心と人の幸せを願うスタッフたちに心が温かくなる小説でした。京都三大餅と薬ケースの金平糖がいとおかし。マチ先生いとおかし。P.218の糺の森の会話がとても印象に残りました。「人間にできることはほとんどない。それでも努力しなさい。」「何でもできるって万能感を抱えながら無限に走らされる方がずっと過酷。」器の大きな人はいつも穏やかなまま、大事な方向を間違えずに行動できるんだなあと尊敬しました。

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    静岡県

    あおい書店(らくだ) 富士店 望月美保子様

    哲郎先生のまとう優しい空気が皆を居心地のいい空間に誘いいつも安らかで読んでいる私までもが穏やかな気持ちになりました。 全ての人が持つ運命を無駄にしてはいけない、命の灯が消えるその日まで、努力を惜しまず希望の光を照らし続けてくれる、そんな医師に出会えたらどんなに最高な人生を送れるだろうか。ありがとうと心の底から言える素晴らしい先生に出会えました。感動をありがとうございました。

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    山口県

    くまざわ書店 下関店 村上真美様

    生きるということを考える。あらためて思えば、身内の不幸はただばたばたしてそんな余裕もなく、考えたことはなかったと気づきました。そう書くと重い物語のようですが、軽やかに読めました。読後感がとても良かったです。雄町先生のこれからのお話がまちどおしいです。

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    福岡県

    六本松 蔦屋書店 峯多美子様

    色んな意味で衝撃的な作品でした。 医療現場の抱える問題、最先端医療のいま、そういったものも描きつつ、治療のあり方、ひいては人が生きること、死ぬこと。そういった哲学的な領域にもにた問いが投げかけられていて、胸に深く刺さりました。 雄町哲郎という医師が、医療現場から見つめる先にあるものの深淵さ、尊さに知らずに涙が溢れていました。 出会えて本当に良かったと思える作品でしたし、多くの人に出会ってほしい作品です。 またいつか雄町先生と彼を取り巻く素晴らしい人々に会いたいと願ってます。

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    東京都

    久美堂 玉川学園店 松原沙莉様

    人の命について考えさせられる作品で、とても勇気づけられる作品でした。多くの人に読んでもらいたいと感じました。

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    鳥取県

    BookYardCHAPTER3 川本梓様

    「人の幸せはどこから来るのか…」ふいにつぶやかれた一言が今でも胸に残っています。病気が治れば幸せ?治らなければ不幸せ?きっとその答えは千差万別で、本当のところは本人の胸の中にしかないのではないか…と複雑な思いを抱えていました。そんな私の心をマチ先生と彼の優しさ、あたたかさに触れ救われた人々の物語は“幸せ”でみたしてくれました。 「おおきに先生」その1言が全てだったと感涙しました。

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    千葉県

    八重洲BC フルルガーデン八千代店 船本栄二郎様

    5年後、10年後、雄町先生に自宅の布団で「あと余命1,2ヶ月でしょうか。」と穏やかに話しかけたい。 無気力、無力感…暗闇の中にいる人にこそ読んで欲しい。(全ての人に読んで欲しいのではあるが)

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    大阪府

    パルネット 狭山店 山脇様

    人生最後の大仕事は死ぬこと。どう死ぬかは、どう生きたかと云う証であり、改めて大事なことだと考えさせられる。死ぬ側の目線と、そこに向き合う医師の目線で表現されており、50代60代の方に読んで欲しいなーと感じました。読後感の気持ち安らぐ小説でした。

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    福井県

    AKUSHU BOOK&BASE 石田美香様

    マチ先生のふるまい、言葉、命との向き合い方…。目の前のことから逃げない、その姿に心から救われたような気がします。 病気に対して、人の努力というのは意味がないものかもしれません。 でも病気だから努力が無意味になるわけではない。 病気だから幸せになれない。そんなことは絶対にない。 私もそう信じて生きてきたので、マチ先生の命との向き合い方はとても励まされました。 治らない病気にどうやって付き合っていくか。 人の幸せはどこから来るのか。 この二つもとても大事なことです。 この物語を通して、自分の人生を考えるきっかけにしたり、自分や誰かの生き方を肯定することができたら、寄り添っていけたらいいなと願っています。 私も出来るならマチ先生に出会いたいし、マチ先生のような人に人生の終末期をみて欲しいと思いました。 あと、作中に出てくるお菓子を食べてみたくなりました。 阿闍梨餅大好きなのできっとその他のお菓子も好きな気がします。 趣味が合う…。

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    兵庫県

    兵庫県 I様

    亡くなった父のことを思い出しました。面会もままならなかった昨年のこと、私達家族の分も、ちゃんと最期まで看護ケアして下さった医療関係者の方々。このお話は本当にありますね。そんな皆さんに私は会ったことがあるし、感謝してますから。いいお話でした。ありがとうございます。

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    山形県

    BSさんわ 山田由樹様

    闘病とは違う人間の生活の延長の医療現場を描いた作品だと思いました。誰にも等しく訪れる死というものに優しく向き合う雄町先生。人は死に方までは決められないけれど、その時にはがんばらず諦めず急がずその時をむかえたい。

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    愛知県

    ジュンク堂書店 名古屋栄店 西田有里様

    最先端医療技術が求められる大学病院で働いていたマチ先生こと雄町は、妹の病死をきっかけに妹の息子である甥の龍之介との生活を中心とし、町の病院で働くことに。 悪い部分を切るというわかりやすい治療では無く、終末医療が中心の新しい職場で医療における人の幸せを問う。 マチ先生の凄腕なのに甘いものが大好きで真剣なのにどこか周りをほっこりとさせる佇まいが素敵でした! 稀な症例で技術を磨くこともきっと大切だけれど、完治しない病の隣にいて寄り添うような医療だって、高齢化の止まらないこの国では大切な仕事になっているのだろう。 マチ先生のような町医者が寄り添ってくれたら自分の最期も安心だろうなと思いました。 原病院のメンバーや花垣、南など大学病院のメンバーも個性豊かでそれぞれのやりとりに思わず笑ってしまいます。 マチ先生と南が良い仲になるのか、龍之介は医者を目指すのか、このメンバーたちのその後を想像するのも楽しい! マチ先生がシリーズ化したら絶対に読みます!! 辻さんの残した『おおきに 先生』の手紙はマチ先生だけでなく、読者の私たちにも忘れられない感動の衝撃を与えてくれました。 自分が原因で壊した体を自分のできる範囲の治療で最期を望む姿が忘れられません。 マチ先生じゃなかったら、『おおきに』なんて安らかな思いで逝けなかっただろうと思ってしまう。 夏川草介さんの作品が大好きでほぼ全作品を読んでいますが、その中でもとびきり素敵な物語だと思います! これからも応援しています!

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    大阪府

    大阪府 T様

    マチ先生の物腰の柔らかさ、常に一定の温度感がどんな場面でも安心感を与えてくれる、まさにトランキライザー的存在でした。患者に対して見守るしか手がなく、ままならない気持ちになる反面、こう思う気持ちがエゴであるのかと考えさせられるお話でした。 各話に登場する京都の銘菓が束の間の緊張をほぐしてくれました。 読み返す際は、小説内の菓子をお供に読みたいと思います。"

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    福岡県

    福岡金文堂 行橋店 富山未都様

    内容の紹介から、読んでいて辛くなったり、怖くなったりしてしまう物語では、と正直なところ不安でした。 ですがいざ読みはじめてみると、ページをめくるほどに、とても大きな救いの物語だと感じるようになっていました。 マチ先生の考え方にはもちろん、原田病院の地域病院としてのあり方にも、花垣さんの選んだ道にも、そしてマチ先生の患者さんたちの生き様にも、不思議と安心感をわきあがらせる何かが宿っていました。 心身を蝕む病の辛さと並べることはできませんが、現代社会においては、結構な割合の人々が、何かしらの不安や痛苦にさらされる日々を送っているように感じています。 そんななかで、マチ先生のたどりついた『幸せ』は、希望を持って生きていくために必要なものだと思いました。 多くの方に、この物語に触れてみてほしいです。

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    山形県

    山形県 K様

    美しい京都の町並を舞台に、静かに、おだやかに、誠実に、医療に取り組む、主人公マチ先生の生き方に、深く共感しました。 無力感におそわれ、ゆううつになった時、また読み返したいと思います。

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    宮城県

    宮城県 S様

    作者が時代を敏感に感じ取る感覚により物語が作り上げられており、読後はさわやかな希望にあふれた感じでした。

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    愛知県

    TSUTAYA ウイングタウン岡崎店 中嶋あかね様

    病気が治るってどういうことなんだろうと考えてきた。体が元どおりになること?何ごともなかったかのように?では、元に戻らないとしたら、その人の病気は一生治らないということになるのだろうか。前とは変わってしまった体を「自分の体」として受け入れて幸せに生きていくことはできないのか。自分の体が弱ったとき、傷ついたとき、初めて思ったそんな疑問に、日々向き合っている人たちがいる。ただ、病気を治すことが医師の仕事ではない。その一方で、ときには患者自身を超えて病気そのものに冷徹に向き合わなければならない時もある。軽く温かい読み心地の中に、答えのない葛藤を誠実に生きようとする人々を見た。

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    大阪府

    ジュンク堂書店 松坂屋高槻店 西本裕子様

    “世界にはどうにもならないことが山のようにあふれているけれど、それでもできることはあるんだ” 医師として数多くの人の命に向き合ってきた夏川先生の想いがすごく伝わってきた。 あと、昔北野天満宮に行った時に食べたきりだった長五郎餅がまたすっごく食べたくなりました!確かにあれは“死ぬまでに絶対に食べておくべきうまいもの”です!

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    福岡県

    福岡金文堂 志摩店 伊賀理江子様

    いい本に出会えたなあとしみじみ感じました。 ゆっくりとこころが落ち着くような、大事なことを思い出したような、凪いだ気持ちになりました。とても好きな一冊になりました。

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    福岡県

    TSUTAYA サンリブ宗像店 渡部知華様

    すごくすごく良かったです。かっこよくオペをこなしたり、なんとか一命を取り留めたり、そういうよく見る医療物ではなく、静かにそっと命を見守る。そして見送る物語。マチ先生の不思議な魅力に包まれて、最後まで穏やかな気持ちで読む事ができました。もっと死について知りたいと思っているマチ先生。一人一人の患者さんと向き合って、その人にとって何が最善かを常に考えているマチ先生の、真っ直ぐな姿が忘れられません。難しい事はわかりませんが、私も最後はマチ先生に見送ってもらいたい。そんな風に思いました。本当に大切なことは何か、深く考えさせられました。たくさんの人に読んで欲しい作品です!素敵な作品をありがとうございました!

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    大阪府

    水嶋書房 くずは駅店 枡田愛様

    だいたいどの辺に原田病院があって、どこに往診に行き、どこに住んでいるかという情景がしっかり浮かんでくるから、とても親しみが持てました その上、ちょうど同じ金平糖を買ってきたところで、お菓子まで…と 特に何が起こるでもない 毎日が同じような出来事の中でもそれぞれの人生があり、喜怒哀楽があり、思いがある 私たちの生活と同じように。 自分の年齢が上がるごとに体のことや自分がいなくなった世界のことを考える機会が多くなった その時その時は穏やかに考えているが、いざとなった時、自分はどうなるのだろう 怖がりなわたしは医療系小説はあまり読まないのですが(神様のカルテも1冊でやめてしまいました。つらくてごめんなさい)、こちらの小説はそんなわたしにも寄り添ってくれるように、穏やかに受け入れるということを教えてくれたように思います 誰もが避けられない死というものも、こんな先生方がいてくれたら、きっと向き合えるのかな、向き合わなくても受け入れることができるのかなと思いました ダラダラ長くなってしまいましたが、276ぺージから277ページのマチ先生の言葉はこれから幾度となく振り返りたい大事な言葉になりました

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    神奈川県

    ジュンク堂書店 藤沢店 鈴木かがり様

    強くあるということと、 優しさが伝わってきました。

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    東京都

    ジュンク堂書店 吉祥寺店 田村知世様

    読みながら「希望」とは何かをずっと考えていました。マチ先生と原田病院の人々、患者さんと紡がれる日々を通し、生に敬意を払い、死に誠実でいるということの中に答えがあるのではないかと思いました。そしてそれはとても難しい事だとも。自分がどのように生き通すかを鑑みるきっかけになる素晴らしい小説でした。

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    埼玉県

    未来屋書店 武蔵狭山店 柴田路子様

    1人の医師が医療と患者に向き合う なんとか繕おうとしたり言葉を選んで伝えても 死が近い人にとって言葉は何も聞こえないのかもしれない 難しい… 真摯に向き合う マチ先生に会った患者さんが最後に感謝を書いた おおきに 先生。で涙溢れる 京都の言葉は優しく温かく読みやすく 医療技術も未来のために受け継がれて行くのいいなと感じました。 マチ先生と南先生のこれからが気になります 私が病気になった時マチ先生に診てもらいたい 甘いもの送ります

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    福岡県

    ブックセンタークエスト 小倉本店 竹内裕美様

    優しくて、穏やかで。言葉が多いことが相手のことを考えている、という風にはならない。それぞれの医師が自分のできる範囲で誠実に患者さんと向き合っている。医療に綺麗事はないと思っていたが、マチ先生のような方に出逢えたら、幸せに生きられそうな気がしてうらやましい。スピノザのエチカと共に、宝物にしたくなる作品。

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    和歌山県

    宮脇書店 和歌山店 岩瀬竜太様

    佐々涼子さんの「エンド・オブ・ライフ」を読んだ時のように『命の閉じ方』を考えさせられるような内容でした。(クライマックスの辻さんのストーリーが影響しているのかと思いますが…)。マチ先生と花垣のかけ合いも気持ち良くて、もっともっと続きを読んでみたい気持ちです。

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    滋賀県

    本のがんこ堂 石山駅前店 松田寿美様

    この小説の見所は医師哲郎と患者さん、その家族との会話シーンだと思います。死が間近に迫っている人、家族を看取った人にどんな言葉をかけられるのか。嘘もお愛想もなく、感傷的にならず、本当に言ってほしい言葉を自然と言えるマチ先生。まだ三十代なのに。しかもスゴ腕。正直、病名や医学用語は意味がわからず読みトバしたので、このようなシーンをずっと読んでいたかったです。 花垣の「一流の科学者でありながら哲学者」という評価が腑に落ちました。

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    北海道

    ジュンク堂書店 旭川店 松村智子様

    患者それぞれの人生を見つめ、向き合い寄り添いながら、医師として、人間として、思索を続けるマチ先生の姿に深い感動を覚えました。特に辻さんのエピソードに強く胸を打たれました。是非シリーズ化して、龍之介の成長や、南先生のその後も見せてもらいたいです。

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    愛知県

    BOOKSえみたす ピアゴ植田店 清野里美様

    彩り鮮やかな文章に京都の街並みが目に浮かぶ。そこに生きる人々たちやがて誰もが年老いていく。退院を目指しつつ治療する病院生活も老いた身体では治療方針も変わってくる。医療は受ける方もする方も難しいのだとはじめて気づかされた。自分にその時が来たら寄り添ってくれる原田医院の先生たちにお願いしたいなと思った。が、とりあえず和菓子が食べたい!

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    静岡県

    アマノ 布橋店 山本明広様

    スーパードクターが奇跡を起こして難病や難しい手術を乗り越える話もいいけれど、今作のように静かにやさしく、人の命に向き合う姿が美しい物語が好きだ。医師も患者もひとりひとりがちゃんと人間として描かれていて、それぞれの医師という仕事と患者としての病気の向き合い方に共感が持てる。また、京都という土地がまた物語に色を添えていて、京都人らしいなあと思わせるふるまいや、おなじみの名所、おいしそうな和菓子が続々出てくるのも見逃せない。せわしなさの増す苦しい時代だからこそ、この物語を通して、やさしく、命に向き合うひとときを持っていただきたいなと思う。

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    愛知県

    丸善 ヒルズウォーク徳重店 熊谷由佳様

    生きることの意味についてよく考えます。身近なひとを失って自分も死にたいというひとを、止める言葉が今のわたしにはないからです。そもそも意味なんてないのかもしれない、と思うこともあります。でも、答えのない問いに無理に答えを出す必要はないと、マチ先生は言いそうですね。 どれだけ努力をしても頑張っても報われないこともあるけれど、それを受け入れた上で生きていく意味を探し続けることが、ただ私たちにできることなのでしょうか。未来に待つものがそれに応えてくれるかどうかはわからないけれど、前向きに信じて日々を積み重ねていけたらいいなと、揺れ動く心に寄り添ってそっと支えてくれるお守りのような本になりました。大きな勇気はいらないので、小さな勇気をずっと持っていこうとおもいます。

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    愛知県

    ジュンク堂書店 名古屋店 二村有香様

    「医師の仕事は治療」という大前提を、ひっくり返されたような気持ちでした。もちろん、お医者さんは病気を治すために日々診察していることは分かっているのですが…。病気そのものではなく、病を抱えるその人まるごとと向き合っているような先生だなと思います。マチ先生と、物語の中とはいえ、出会えてよかった。(書店員になる前、mswとして病院に勤めていた頃を思い出しました。マチ先生、だいすきだ…)

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    岐阜県

    未来屋書店 各務原店 渡邉喜久美様

    またひとり、人生の最後に診てほしい医師に出会いました。『人は誰もが皆日々1歩ずつ死に向かって歩んでいる』本の一節か私の本の感想だったのか定かではないのですが、それからなんとなく、自身の最後はどのように訪れるのだろうかと考えるようになりました。幸せな最後とは、悔いのない最後とはどんな形なんでしょう。正解のない二つの問いに医師として寄り添い前をみて日々努めている作中の沢山の先生達にまた本という形で会えることを今から楽しみにしております。

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    奈良県

    喜久屋書店 大和郡山店 森谷哲様

    どうやってこの感動を伝えればよいのかわかりません。 ただ人が生きて、老いて、死んでゆく上でとても大切なことが書かれてあることは間違いありません。「おおきに、先生」たったこれだけの言葉にこれほど打ちのめされるとは。 あと、読んでいるとなぜか口の中が唾液でいっぱいになります。

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    石川県

    明文堂書店 TSUTAYA 金沢野々市店 瀬利典子様

    考える、見守る、そして、進む。素直に言葉を受け取ることができたのは、人と向き合うことで見えてくる、様々な力に気付かせてくれたからだと思う。

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    三重県

    未来屋書店 鈴鹿店 丹羽千紘様

    夏川先生の作品は、慌ただしい日々で忘れがちな大切なことを思い出させてくれるので、大好きです。自然の情景が目に浮かび、人の優しさに触れて心が温まり、凝り固まった心身をゆっくりほぐしてくれます!忙しない日常を送る皆様にぜひ読んでほしいです。

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    東京都

    明屋書店MEGA平田店 山崎様

    書店員でなくても私はこの本を皆さんに強くオススメします。 医療がテーマの本書ですがステレオタイプの「ザ・医療小説!」ではありません。 柔らかく穏やかに、しかし心の奥底で「生きること・死ぬこと」について真剣に考えられる物語です。 それは主人公のマチ先生や登場人物が他者を嘲笑せず、嘆かず、呪わないからなのだろうと思います。 医療現場に関わらず先の見えない世の中になりつつある今こそ 『スピノザの診察室』のような一冊が私たちには必要だと信じ私はこの本を強くおすすめします。

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    大阪府

    紀伊國屋書店 高槻阪急店 北辻祥子様

    読みながら何度も涙が流れました。 幸せに生きて、死と向き合いどのように終わるのか、どうしようもない事ばかりの中でも希望を失わず、努力し続ける事を考えました。病いと死、人生という重いテーマなのに、読後は清々しい風がふきさったような気持ちになります。作中に描かれる京都の空気と、京都の人々やマチ先生の魅力のたまものですね。(銘菓も!餅を制覇しに行きたいです。)日々の感謝を忘れないよう、背筋が伸びる思いです。

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    北海道

    喜久屋書店 帯広店 礒野あかね様

    こんなに患者さんが亡くなる小説はそう無いのではないでしょうか?それなのに、なにこの力強さは!面白かった。マチ先生はなんて真摯に人間とその生と死に向きあう医師なんだろう。素晴らしい。死の近くにいる患者との会話、時折見せる一流の内視鏡医としての姿と技術、支えあう仲間たち、京都の甘いもの…。誰もがこの本に惹きつけられること、まちがいなし‼哲学にはとんと疎い私ですが、マチ先生による解釈によって、スピノザの哲学に俄然興味が湧きました。

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    兵庫県

    兵庫県 O様

    “病気を治すだけが正解ではない”これは医師だけでなく、患者本人もとても難しい問題だと思います。マチ先生はこの問題に患者の気持ちにも寄り添い医師の視点も疎かにしない、超人のような精神を持った甘党で、うちの近所にも居てくれないかなぁと思いました。シビアなテーマなのにあたたかさに溢れた、大事にしたい1冊です。

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    宮城県

    紀伊國屋書店 仙台店 齊藤一弥様

    おや、舞台は京都ですか。たしか夏川草介さんって信州のお医者さんじゃなかったっけ?と思ったら出身は関西なんですね。なるほどなるほど。 「京都」という土地がもつ雰囲気が作品にとても合っていたと思います。患者さんとの軽口なんかとても軽妙で見習いたいぐらいでした。 大学病院での最先端の医療は患者を治す為に臨床・研究・教育されている。一方で地域病院ではQOLに重点を置く場合もある。どちらを選択するかは患者の自由であっていいと思います。 余命幾ばくかの高齢者を無理に延命させるより、「急がなくていい」と1日1日を丁寧に生きる。きっと私もその時が来たらそちらを選ばせてほしいと言うでしょう。それは決して「死にたい」という諦めではなく、日々を充実させたいという「幸せ」を求める気持ちだから。 「死」という宿命から努力で変えられること。 それは「死へ向かう過程の時間」。恐怖に怯え苛まれるより、限られた日常での幸せを再発見する時間を作る。雄町先生たちが医療で守っているのはとても大切な時間でした。あと一言、一筆、一目、その時間を作る為に日々戦っているのだと感じました。 京都のいろんな餅食べたいです。

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    愛知県

    三洋堂書店 新開橋店 山口智子様

    自分の努力だけでは何ともならない時、先が見えず苦しい時どうしたら幸せに生きる事ができるのだろう。簡単には答えが出ない問いにマチ先生の言葉が心の泉を少しずつ満たしてくれるようでした。 個性豊かで一癖ある医師や患者がたくさん登場しますが悪人は出てこない。言う事を聞かない患者や勝手に敵視する後輩医師に対しても視線は暖かく全ての登場人物に敬意を感じます。私が夏川さんの小説が好きな最大の理由です。誇りと勇気と優しさを忘れずに飄々と進んで行くマチ先生の姿が強く心に残りました。大切な人や自分が行き詰まった時、きっとまた読み返したくなる本だと思いました。

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    福岡県

    明屋書店 豊前店 加来智美様

    病院苦手な私でも、マチ先生のようなお医者さんなら怖くないなと思いました。原田病院の面々も個性的で、それぞれが主人公のお話も読んでみたいくらいでした。すべてが決まっていたとしても希望は捨てず努力して前へ進む、という大切なことを投げかけられたように思いました。 そして、和菓子を無性に食べたくなりました!いつか和菓子めぐりに京都に行きたいです。

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    長野県

    長野県 I様

    どんな状況でも、心の在り方で希望をもつことができる。今まさに必要とされる本だと思いました。多くの人にこの希望の本を届けたいです。素晴らしい本をありがとうございました‼

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    山口県

    明林堂書店 フジ西宇部店 田中由紀様

    タイトルに惹かれ、とにかく読みたいと思った。 目まぐるしい医療の進歩があっても、どうにもできない病はある。老いが重なれば尚更だ。 人間は無力で小さな存在だ、と認めながらも努力を惜しまない医者、雄町哲郎。 彼を突き動かしているのは、スピノザの精神。 というと、凄くカッコいいけど、京ならではの美味しいスイーツでは?と私はにらんでいる。 彼を取り巻くベテラン医師たちも、日々真剣に取り組みつつユーモアを忘れない、愛すべき人々だ。 是非是非、続編を。願わくばテレビ化を! 待っています!

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    栃木県

    栃木県 M様

    夏川先生のファンで新作を心待ちにしてました。そんな中プルーフを頂けるとあって驚きと喜びで、書店員で良かったと仕事中でもありながらガッツポーズをしてしまったほどです。 ただ、コロナ禍でこころも体も疲弊して今やっと自由になりつつあるこの時代に、医療ものはどーなんだろうと正直思いました。臨床の砦、レッドゾーン、コロナ禍のど真ん中で戦い続けた先生の真の声の小説の後だっただけに、文芸担当ではない私が書店の目玉にする不安もありました。 読み終えて、そんな不安はぶっ飛びました。夏川先生の言葉はいつもあたたかく、読んでいて本当に癒されます。是非たくさんの人に手にとって頂きたい。その応援をしたいと。水鈴社 篠原様の熱い想いも届けたい。今はそんな気持ちです。 いつもなら、信州の山々を想像しながら読んでいましたが今回は京都。和菓子を検索しながら読みました。京都に行きたくて仕方がありません。 病気を診るのではない、人を診るのだ 先生が良く使われますね。常に人をよく診てらっしゃるんですね。 普段から良く人を見ているから様々な人の内側に気付かれるんでしょうね。気付きすぎて疲れてしまわれないかと余計な心配までしてしまいます。 今回も魅力ある人物の多いこと。どんな言葉を掛けるんだろう、どんな返しを用意してるんだ。どんな行動を起こすのだろうと、ページをめくるのが楽しかったです。 是非、続編を期待します。なんならエピソード0も期待したいです。その手助けに少しでもなれるように書店員として頑張りたいです。 今回は読ませていただきありがとうございました。

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    福岡県

    紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子様

    ページを開いた瞬間から、 私たちの生活に、とても近しい空気に包まれ、 物語の中に静かに降りていくようでした。 心は生きているのに、体がままならない。 体は生きているのに、心がどうしようもできない。 人の寿命は、平等ではないのに、 生が終わる日は平等に訪れる。 限りある命の中で、 「生きる」とは、「生きていく」とはどのような事なのか。 「生」についての多くの問いが、 胸の中にあふれました。 特に、本書の中で、 「病気が治らないから、幸せでないわけではない」というメッセージに、はっと目が開かれるようでした。 人と人とがつながり、 心を通わせ、笑ったり、泣いたり、 さまざまな感情を重ねていく。 太く短い人生もあれば、 細く長い人生もある。 人間の本当の幸せは、生きた長さではなく、 誰かとつながり、共に支え合い生きていく時間ではないかと、 物語を通して深く感じました。 悲しみと苦しみの暗闇に包まれて、立ち行かなくなった人生の道を、 ぽっと穏やかに照らしてくれる、やわらかな光のような物語。 最後の、あるメッセージを見た瞬間、 涙がぼろぼろとあふれて、止まりませんでした。 体の痛みを治療することが医療であれば、 擦り切れた心を回復させるのは、 相手を大切に想う優しさであり、温かな言葉である。 そんな、これからもずっと大切にしたい、 人の真心が生きていました。 この世界ではもう逢えなくても、 いつかまたきっと逢える。 きらめく生命が巡る、 穏やかな呼吸を感じるような人間ドラマ。 まるで目に見えない奇跡に包まれ、 読み終えた後、心が浄化されるようでした。 全身に幸福が満ちあふれる、 素晴らしい作品を拝読させていただき、 誠にありがとうございました! 今からご刊行を、とても楽しみにしております!

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    福岡県

    メトロ書店 福岡千早店 持田様

    夏川先生がおっしゃる通り、奇跡もドラマティックな危機もなく、手術の場面も淡々やり終えているようでした。ですが、読み終えた後「もう1度」と思ってしまう魅力がある作品です。印象深いシーンが多々ありましたが、特に印象に残ったのは、花垣先生の「医師の中には科学者と哲学者という人格があって行き来している。」というシーンでした。

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    高知県

    蔦屋書店 吉野理枝様

    面白かった。 命と真に向き合う。重いテーマを扱っているのに、そうは感じさせずに読めたのは魅力的な登場人物達がいたからかもしれない。でも、深く考えさせられる内容で心にしみ入る文章や、刻みつけたい言葉があちこちにあり、立ち止まり、繰り返し読んだ。科学というものの根底には、哲学が深く関わり、そこには、人間の生死も含まれているのだと感じた。

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    埼玉県

    東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美様

    正解のない問題に日々向き合う医師の真摯な姿に胸がじんわりと温かくなる。 誰もが望む「穏やかな死」を迎えることの難しさや哲学的な思考に、自分の人生を見つめつつも、マチ先生のキャラクターのおかげで重くなりすぎず、穏やかな心持ちになった。 これはまさしく幸せを、自分の在り方を問う物語。 これからの彼らの姿も見ていたいと思った。

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    愛知県

    くまざわ書店 名古屋セントラルパーク店 大洞良子様

    京都の街や四季を美しく切り取り ”生と死”に真摯に向き合いながら進む物語は著者の医師としての生き方を代弁し、読むものの心に静かに語りかけてきます 素晴らしかった 雄町先生とこの小さな病院の物語の続きをまた読めたら、と期待します

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    山梨県

    柳正堂書店 甲府昭和イトーヨーカドー店 古屋奏美様

    人々の生活の中には死がある。マチ先生の目線で物語を読んでいると、自然の移ろいのように、死は特別なことではないと改めて思います。 『病気を診るか、人間を診るか』 最後の辻さんの死が胸に応えました。患者の幸せとは、何が正解なのか。それでも辻さんの穏やかな死に顔に救われたような気がします。マチ先生の物語、もっと読んでみたいです。

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    大阪府

    紀伊國屋書店 梅田本店  小泉真規子様 辻本彩様

    「私はむしろもっと死について知りたいと思っているのかもしれません」 奇跡も起きないし、教授たちの権力闘争もないし、医者が「帰ってこい!」と絶叫しながら心臓マッサージをすることもない。 もっとシンプルな生きることと死ぬことが丁寧に描かれた傑作。 担当者イチオシの一冊。

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    兵庫県

    未来屋書店 明石店 大田原牧様

    手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』に登場する本間先生最期の言葉。 「人間がいきものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね……」 運命の残酷さと無慈悲さを突きつけられた、ずっと忘れられない言葉である。拝読中、何度もこの言葉を思い出した。 生と死に日々真摯に向き合い続けている筆者だからこそ紡げる言葉の数々が、優しく心に染み渡った。突き刺さった。この物語に天才外科医は出てこない。「奇跡」も起きない。しかし、「マチ先生」の背中はかっこいいし、静かに力をくれる。希望という存在に気づかせてくれる。 現世への恨みつらみじゃなく、「ありがとう」と誰かへの感謝を思い浮かべながら、この生を終わらせたい。より今の自分の生にあがいていこう。そんな熱が出てきた。自分のいのちに向き合う時間を与えて貰った。 『長五郎餅』に『矢来餅』、『阿闍梨餅』も食べたい……。『焼栗の金平糖』は今しか買えないし。そんな欲も出てきた。

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    栃木県

    うさぎや 矢板店 山田恵理子様

    この物語の中には、ささやかで幸せな時間が流れています。その人らしく生きること願うマチ先生は、相手に呼吸を合わせるように、静かで温かい。命の希望とともに夏川さんの込められた思いが伝わってきていくつものシーンで泣いてしまいました。母を元気づけてもらったマチ先生に似ている訪問看護の医師を思い出しました。これからマチ先生がどんな世界線を描くのか楽しみでなりません!

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    愛媛県

    ジュンク堂書店 松山三越店 木﨑麻梨子様

    すべての事象を“受け入れて”、自分ができること、努力すべきことをただやる。シンプルだけど、何となくわかっているけど、実に難しい。 マチ先生が側にいてくれたらできそうな気がするけど、側にはいてくれないので、“受け入れる”ことができなくなった時、読み返そうと思います。 人生でずっと探している答えの1つに出合えた、そんな1冊でした。 (和菓子はあまり食べないのですが、無性に食べたくてたまらなくなりました…。)

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    宮崎県

    TSUTAYA BOOK STORE 宮交シティ 長澤梨沙様

    10月27日発売のオススメはなんと言っても『スピノザの診察室』1ページ目から夏川草介先生の世界が広がります。美しい日本語が心地よく、京都の風景を目の前に映し出してくれます。こちらのプルーフの装丁はまた素敵で、小学生の娘が「可愛い!」と申しておりました。

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    大阪府

    大阪府 T様

    原田病院の、みんなの暖かさに、心打たれました。1人1人の登場人物の個性がとても豊かで、この先も、もっと知りたくなるような展開でした。時々でてくる、関西弁、(京都弁)が、ホッとさせてくれて、心に染み込んでいきました。雄町先生の甘党で、お餅好きなところも、大好きです。夏川先生の本は、とても落ちたいた気持ちになれ、人の優しさに気づかされる本で、期待を裏切らなかったです。ありがとうございました。

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    大阪府

    大阪府 N様

    実際に医療の現場に携わってきた方でなければ描けない作品だと思います。淡々と、しかし真摯に生と死の狭間に向き合う、登場人物全員の姿に感銘を受けました。

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    京都府

    平和書店 TSUTAYAアルプラザ城陽店 奥田真弓様

    人が一人死ぬということは、大変なこと。 家族を送ったことのある方なら 想像に難くないではないでしょうか。 京都の街中を自転車で往診に回る 甘味好きの医者。 彼が抱えるのは、これから死にゆく終末期患者たち 穏やかな自分らしい人生の幕引きを手助けをしている。 逝こうとする人を引き戻すのが医療。 でも、旅路へ穏やかに送り出すのも医療。 野心はなくても矜持はある。 かっこよすぎますね… 積み重なった歴史と人々の営み。 京都の街並みを背景に、 暖かく心に沁みる物語でした。

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    大阪府

    NET21清風堂書店 梅田店 徳網様

    癌の終末期の往診や、現場を支える医師たちの戦いがリアルに描かれていて面白かったです。今年自宅で父を(坂崎のように)看取ったことも重なり、マチ先生の「お疲れ様でした。」の一言に涙があふれました。 京都の街並み、そして美味しそうな和菓子を想像しながら読むのがとても楽しかったです。

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    東京都

    虎ノ門書房 田町店 根本隆仁様

    心に残った言葉があった。 「見送った者の気格」心に染み付いている。 面白かったと思う物語はたくさんある。 でも読み終わった後にも、心に残る言葉がある物語は、どれだけあることだろう。 心に残せる程の言葉がある物語を名作と呼ぶのかもしれない。 哀しいけれど温かく、寂しいけれど優しい。 名作と呼べる気格を持ったこの物語に出会えたことが、ただ素直に嬉しい。

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    東京

    宮脇書店 青森店 大竹真奈美様

    ドラマチックで奇跡的なストーリーよりも、もっと身近で親身に、私たちそれぞれの人生に寄り添い、命の在り方を優しく伝えてくれる。そんな希望の光に包まれるようでした。 きっと何をもって幸せと思うかは人それぞれで、それでも幸せというものは、辛いことをもベースに自らが作り上げることができる。この作品に実直に描かれた「人の幸せ」は、押し付けるような教えではなく、愛ある気づきを与えてくれました。やわらかな心で、生にも死にも真摯に向き合える。過去の痛みにも未来の不安にもけっして絶望することなく、凛とした強かさで希望を持つことができる。生きていくために大切なものを、この物語が教えてくれました。 読後、人生に芯が通ったように感じました。これからを生きていく、そしていつかは死を迎える者として、今、出合ってほしい、多くの命へ届けたい本です。この作品を読むことができて本当に良かったです。読ませていただき本当にありがとうございました。

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    群馬県

    未来屋書店 高崎店 𠮷野千鶴様

    主人公が医師として誇りを持ち、一人一人の患者と向き合う姿が丁寧に描かれていて、とても読みやすかったです。「幸せ」とは何なのか、深く考えさせられる内容でした。

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    広島県

    未来屋書店 宇品店 山道ゆう子様

    「生」と「死」。 どちらとも真正面から向き合っていた。 命にそっと寄り添い優しい希望を注いでくれる。 風情のある京都の街並みを今日も自転車は駆け抜けていく。そこに命がある限り。 自分の中で怖いものでしかなかった「死」に対しての考え方が少し変わった。

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    山口県

    宮脇書店 ゆめモール下関店 吉井めぐみ様

    死と向き合う患者やその家族にとっては寄り添ってくれる原田病院のスタッフの方々がとてもありがたいのではないかと想像する。奇跡の話ではないところがとても心を打つ。「ありがとう」と思いながら最期を迎えられたら幸せだなと思った。読んでいると癌で闘病していた頃の父を思い出す。亡くなった時よりも今この作品を読んだからこそ色々と思い出し、もっと何かできたんじゃないだろうかと自分に問うてしまう。このような機会をくれたこの作品はすごいと思う。

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    大阪府

    未来屋書店 りんくう泉南店 新家かほり様

    京都の美しい景色に銘店の和菓子の数々。美しい描写が素敵です。 人との別れを多く経験する年齢になり、改めて生きることの意味や人生について考えることが多くなりました。 奇跡が起きなくても天才外科医が登場しなくてもいいんです。こんな物語が読みたかった。 死を目前にしたとき、自分の気持ちを否定せず寄り添ってくれる医師に出会えたなら、きっと悪くない人生だったなと穏やかな気持ちで逝ける気がします。 マチ先生の言葉はどれも深く心に残るものでした。人として医師として真摯に患者に向き合っているから重みがある。 様々な苦悩や葛藤を抱えながらも最期まで諦めず患者に寄り添う姿に、医師の仕事とは?の答えを見た気がします。 今の時代にこそ多くの人に望まれる物語だと思います。1人でも多くの人に読んで欲しい。心が洗われます。

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    大阪府

    水嶋書房 くずは駅店 永嶋裕子様

    静かだと思った。命と向き合う場所なのに。 だけど、決して暗闇ではない。スピノザに絶望感がないように、この物語にもないのだ。 生と死の重なり合う場所で、静かに粛々と患者と向き合う医師の姿は、ただそれだけで安心する。 治る病気ばかりではない。だからこそ、生きるために何を選択するのか、生きるために何を選択しないのか。生は自分で選べないが、死は選べる場合がある。どんな選択でも、そこに耳を傾けてくれる医師がいるだけで、案外落ち着くというのは、これまでの自分の経験で妙に納得がいった。 死は苦しみの終わりでもある。誰もが必ず迎える。そんな時、こんな風に受け止めてくれるなら、受け入れられるなら、どれほど心強いだろう。 現実にはうまくいかないだろうし、望まないものも受け入れるかもしれない。なりふり構わずすがり付くかもしれない。 それでも今、この瞬間は、こんな風に生きてこんな風に終わりを迎える人間でありたいと思った。 幸せな人生というものは、自分で決めるものなのだ。優秀な医者でも身近な家族でも侵すことのできない最期の砦なのだ。

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    石川県

    うつのみや 金沢工大前店 寺井里緒様

    ドラマティックで劇的な展開は起こらないのに胸が熱くなる、現役医師として働いてきた夏川先生だからこそ書けた物語だと思います。私もそうですが、哲学に馴染みのない読者が間口を広げるきっかけにもなると思います。スピノザの哲学を読んでみたいと思いました。名久井直子さんの装丁が楽しみです。

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    長野県

    宮脇書店 松本店 船渡様

    病院という舞台にいくつもの死を感じますが、個性的な登場人物たちのコミカルな会話や美味しいお菓子の描写、季節の風情など様々な幸福が詰め込まれており、まろやかで楽しい作品でした。 逃れることができない自分や共に生きる人たちの死を、この先どのように受けとめて生きていくのかを考えさせられると同時に、日常の中に潜むかけがえのない幸せに改めて気付かされました。ありがとうございました。

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    東京都

    東京都 T様

    病に直面した時に人間性があらわれると言われていますが、それは患者だけでなく、医者にもあてはまるのだな、とわかりました。患者を人としてみてくれる医者にめぐり会いたいと思いました。

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    広島県

    広島県 O様

    いずれ来るであろう死を私はどのように迎えるだろう。 重いテーマでありながら穏やかで静かな物語。 マチ先生の悲観的ではなく、すっと心にはいってくる言葉は何度読んでも響きます。 幸せとは何か。 考えさせられます。 素敵な師弟関係も現代の社会ではなかなかできないことですよね。 羨ましい笑 最高に『面白い』物語を読ませていただきました。 たくさんの方に読んでいただきたい本です。

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    長野県

    くまざわ書店 南松本店 立木恵里奈様

    生きるとは、本当の幸せとは、という正解のない問いに考えさせられ、現役の医師だからこそ描ける医師と患者の姿に胸を打たれました。 自身も辛い思いや壮絶な経験をしているからこそ真剣に患者に向き合うことができ、真剣に向き合っていることが患者にも伝わっているから、患者も文句を言いながらも医師を信頼し委ねる。 物語の中には医師と患者の強い信頼関係が存在し、悲しい出来事も生死を分ける緊迫の出来事も、全てを包み込む温かさとユーモアがありました。 こんな医師達がいる病院なら、医者や病院嫌いの人でも喜んで通院しそうだなと思いました。 京都の銘菓がとても美味しそうで、無性に食べたくなる甘党の人にはとても危険な小説でもあります。

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    千葉県

    紀伊國屋書店 セブンパークアリオ柏店 伊藤奈穂子様

    すごく、ものすごく優しいお話でした。 登場するお医者さんたちもだけれど、亡くなっていった患者さんたちの 死にざま(言い方悪いかも)が印象的で、どの患者さんも幸せそうに(これも言い方) ある意味納得して(吐血して亡くなった辻さんでさえ)人生を終えているように思えて 老年医療っていうんですか?の理想のように思いました。 まぁ、実際は皆が皆この本のように穏やかに最期を迎えることはないでしょうし、 本人と家族との意思の乖離もあるとは思いますが。 自分がどのような最期を迎えたいのか、「人生会議」って言うんでしたっけ、 元気なうちから家族と何度も話をして納得した死を迎えられると幸せだなと思いました。 その時にはこの本に出てくるような素敵な先生に巡り合えていたいですね。 夏川先生の本は他社で出されている「始まりの木」を読みましたが、 そちらは民俗学、今回は哲学で、お医者さんでもあり小説家でもあり、 なんていうか、どれだけマルチなんでしょうね?びっくりです。 そしてこの本に出てくる銘菓たちが気になってしかたがありません! どんな和菓子だろう?って検索してみて、猛烈にお腹が空きました。 いつか京都に行ったら長五郎餅を絶対に買うと心に決めました。(笑) 素敵な作品を読ませていただき、本当にありがとうございました。

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    栃木県

    ビッグワンTSUTAYA さくら店 黒岩香利様

    この本のタイトルにある「スピノザ」が懐かしく、手に取りました。スピノザの本が売れた時代を知るものとして、最近の書店事情は寂しい限りです。今回の夏川作品は大学病院のエリート医師がある事情から町医者となった主人公のお話です。町医者と患者との人間味が溢れる関係にはほっこりさせられます。夏川さんの著書には「医は仁術なり」の精神が脈々と引き継がれている、そんな気がします。

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    福島県

    鹿島ブックセンター 八巻明日香様

    患者や、その家族によって紡がれていく日常の物語が、優しく静かに、人生との向き合い方、終い方を教えてくれました。人の生死を扱っているのに、悲しみではなく、むしろ温かい感情が胸に残る美しい物語です。 人生の終盤にさしかかった人にも、これから自分の未来を選択し紡いでいく若い人にも、出来るだけ多くの人達に届けたいと思います。

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    東京都

    ブックスオオトリ 四つ木店 吉田知広様

    魅力的な登場人物たちが織り成すドラマの愉楽、京都の町の情景、美味しそうな和菓子。それらを堪能しつつ、主人公をはじめとした医師たちの奮闘にグイグイ引き込まれて読み進めました。  実際に地域医療に従事された著者ならではの「現場感覚」が溢れている描写は、その場の空気までも感じられるかのようです。  私も数年前に肉親を見送っており、往診先での看取りのシーンでのマチ先生の台詞には、思わず涙腺が緩むこともありました。  もう治ることのない、高齢の患者たちとどう向き合うか。自分ももう他人事ではない年齢になってきましたので、ずっしりと重いテーマではあります。  マチ先生のように「何が患者にとって幸せなのか」を考え抜く医療者の方がいてくれるなら、と、願わずにはいられません。  スピノザの哲学についてはまったくの勉強不足で、どういうものかもよく理解しておりませんが、作品中にちりばめられた、おそらくそのエッセンスであろう言葉が物語に彩りを与えているのかな、と思いました。「願ってどうにもならないことが、世界には溢れている。意志や祈りや願いでは、世界は変えられない。そのことは、絶望ではなく、希望なのである」(218~219P)この一文は特に心に残りました。  それにしてもマチ先生、かっこいいです。  出会えてよかった、という作品がまた一つ増えました。  続編を予定しているかと思います。原田病院の個性的な医師たち、南や花垣といった大学病院の面々、そして龍之介くん…彼らにスポットライトの当たった物語もぜひ読んでみたい。これからのシリーズ展開を楽しみにしております。

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    長野県

    平安堂 新長野店 町田佳世子様

    夏川先生の描く医療小説の舞台はどこにでもある地方郡市(松本も京都も魅力的な場所設定ですね)。しかし、そこにはいつも冷静と情熱をあわせ持つ理想の医者がいる。 そして、声高ではないが、医療にたずさわる人への熱いメッセージがこめられていることを感じる。どうにもならない、生命の切なさに抗うには、人と人が手をとりあって前に進むこと、人間の努力を肯定してくれる前向きな小説でした。

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    滋賀県

    ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理様

    自分がこの世からさよならする前に、周りの人やお世話になった医師の先生にありがとうと言える最期を迎えたい。命は自分のものであっても、どうにもならない儚く無慈悲なもので、失われてしまう。でも医療、人の力で優しい気持ちで残された時間を過ごすことができるとこの本が包みこんで、伝えてくれている。医療って技術だけではないんだ。むしろ人が人に対して何を望んで、微笑んで過ごすことができるかを考え続けていくことなんだ。人と人の優しく温かい対話。現に南医師が原田病院で、マチ先生についてみた医師としての姿は、彼女を柔らかくした。命は人のものだから、温かい心をもった人に尽きるまで診てもらい、希望をみたい。出てくるどの京都の和菓子も好きです。甘いのを好きな先生も素敵です。

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    福島県

    岩瀬書店 富久山店プラスゲオ 吉田彩乃様

    人の最後は誰にも選べないし、ファンタジーのような奇跡だって起きることはないけれど、それでも生きるということの大切さ苦しさを誰かにもわかってほしいと感じました。

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    東京都

    有隣堂 町田モディ店 原田明美様

    夏川さんの作品だからどこか「神様のカルテ」を彷彿させる主人公のマチ先生が一止先生の成長した姿に重なって見えたり今年観た映画『Dr.コトー診療所』の世界観にも似ていたりとても私の好きな医療もの作品で何より作品に入り込む事が出来ました。京都の街並みや夏の風景を織り込んで甘い物好きにはたまらないお菓子も登場するなど五感に訴える内容もともすると日常とはかけ離れた世界に思える病院や医療現場が決して我々の生活と切り離された別世界ではない事を教えてくれます。スピノザの哲学についても折に触れ医師と病気や患者との関係に一人では限界のある中信頼出来る仲間と手を取り合ってより良い未来を創っていこうとする同志たち、人の生き方に寄り添う医療を目指す同志たちに心からエールを送りたい。急がずゆっくり空気感をも味わうように読んでほしい。今年一番の感動作です。

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    長野県

    平安堂 あづみ野店 石田奈津子様

    1つ1つのエピソードがマチ先生が愛する甘味のようにじんわりと心に広がっていく。夏川先生らしい患者に読者に「安心」を与える語りかけるような優しい物語だった。 舞台が京都になっても応援します‼(信州地元の書店より)

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    静岡県

    マルサン書店 サントムーン店 原田里子様

    生まれて、老いて、時に病を得、死に至る。人生の避けられぬ通い路に出会う医療従事者と患者との交流は、それぞれの矜持を受け止めながら、そっと触れ合うような敬慕がある。 マチ先生の静かな語り口は病や死を前に波立つ心を優しく静め、仲間の医療従事者たちの真摯な心はひたむきな気持ちを呼び起こしてくれる。 自分も人生の通い路に出会うひとに、ありがとうといえる心持でいたいと思う。 お話の時々に顔をだす和菓子もなんだかほっとさせてくれて、文章でも甘さの元気を貰った気がしました。

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    福岡県

    紀伊國屋書店 久留米店 池尻真由美様

    現実の医療の現場のリアルな日常が描かれていました。哲郎が患者一人一人に対して誠実で、真摯に向かい合い寄り添う姿勢に感銘を受けました。 人生の最期を迎える時、哲郎のような先生に出会えたのならどんなにか心強く幸せだろうと思いました。辻さんの「おおきに先生」のメッセージに胸の奥からあふれるようなあたたかな涙が流れました。人はどう生き、どう死ぬのか、命について深く考えさせられます。最先端の医療は重要ですが、人と人との絆・心の触れ合いが勇気や安心を生み出す、とても大切なことなのだと思い知らされました。 心にしみわたる優しく力強い素敵な作品。拝読させていただきありがとうございました。

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    埼玉県

    未来屋書店 入間店 佐々木知香子様

    家で病院で最後を迎えるには 医者が必要で、心を傾ける事ができる人だと安心して逝けるきがします。 いつか訪れるその時は、心穏やかな先生と巡り会いたいし、きっと寂しくないと思いました。 人の痛みを和らげる存在のありがたさを教えてもらえた一冊でした。

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    新潟県

    くまざわ書店 新潟亀田店 今井美樹様

    哲郎が南先生に諭した一言がとても印象的だった。 死について、生について、人生の後半戦に近づきつつある自分の未来を想像しながら、“その時”はマチ先生のような先生と迎えたいと思った。 とても読みやすい文章で、穏やかな気持ちのまま読める作品。 京都=八ッ橋のイメージが強かったが、作中のお菓子をぜひ食べてみたいと思った。 次に京都に行く時は、この作品を思い出しながら歩いてみたい。

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    大阪府

    紀伊國屋書店 天王寺ミオ店 木曽由美子様

    心の深い所に優しく語りかけてくるお話。 人の死に寄り添えるということは、 その人の人生に寄り添えるということなのですね。 終末の幸せとは? 感慨深い物語でした。 次のお休みには、京都の町に甘い物を食べに行こう‼

スピノザの診察室のイラスト
あらすじ
その意志は、最後に希望の明かりを灯す。

雄町哲郎は京都の町中の
地域病院で働く内科医である。

三十代の後半に差し掛かった時、
最愛の妹が若くしてこの世を去り、
一人残された甥の龍之介と
暮らすためにその職を得たが、
かつては大学病院で
数々の難手術を成功させ、
将来を嘱望された凄腕医師だった。

哲郎の医師としての力量に
惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、
愛弟子の南茉莉を研修と称して
哲郎のもとに送り込むが……。

スピノザの診察室のイラスト
スピノザの診察室
【著者】夏川 草介 読者の皆さまへ メッセージ

【著者】夏川 草介

医師になって20年が過ぎました。
その間ずっと見つめてきた人の命の在り方を、私なりに改めて丁寧に描いたのが本作です。
医療が題材ですが「奇跡」は起きません。
腹黒い教授たちの権力闘争もないし、医者が「帰ってこい!」と絶叫しながら心臓マッサージをすることもない。
しかし、奇跡や陰謀や絶叫よりもはるかに大切なことを、書ける限り書き記しました。
今は、先の見えない苦しい時代です。
けれど苦しいからといって、怒声を上げ、拳を振り回せば道が開けるというものでもないでしょう。
少なくとも私の心に残る患者たちは、そして現場を支える心ある医師たちは、困難に対してそういう戦い方を選びませんでした。
彼らの選んだ方法はもっとシンプルなものです。
すなわち、勇気と誇りと優しさを持つこと、そして、どんな時にも希望を忘れないこと。
本書を通じて、そんな人々の姿が少しでも伝われば、これに勝る喜びはありません。

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【著者プロフィール】

夏川 草介なつかわ そうすけ

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。⻑野県にて地域医療に従事。
2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は2010年本屋大賞第2位となり、映画化された。他の著書に、世界数十カ国で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師である著者が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』など。

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夏川さんに作品の執筆を依頼してから、14年の月日を経て生まれたのが本作です。

「人の命と幸せ」という深遠で大きなテーマを扱ってはいますが、小難しさは一切ありません。
飄々としながらも優れた一人の医師が、患者や仲間と真摯に向き合う姿を描いた、最高に“面白い”物語です。

そして、僭越ながら『スピノザの診察室』は、誰かの人生を変える一冊になり得るかもしれないと感じています。

今、この時代にこの作品を送り出すことができたことを、誇りに思います。

ぜひ、ご一読いただけましたら幸いです。

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水鈴社 代表取締役 / 編集者

篠原一朗

スピノザの診察室